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★アスベスト
◆アスベストの現状と対策
最近、耐震診断や、リフォームの調査に伺うと必ずと言ってよいほど「アスベスト」について聞かれるようになりました。
アスベストの 基本的な性質、現状、対策等を解説していきたいと思います。
○アスベストとは?
アスベストは日本語名では石綿(いしわた、せきめん)と呼ばれています。綿のように柔らかいのですが、合成繊維ではなく天然の鉱物
の一種です。鉱物なので火に燃えません。
アスベストの語源は「永遠不滅の」という意味のギリシャ語からきていると言われています。
アスベストは溶岩が水で冷やされるとき、条件にあうと結晶が繊維状になることで生成されます。比較的多い鉱物で、簡単に掘り出
せることから非常に古くから、非常に低コストで調達できました。
アスベストの特徴は、その繊維が非常に細いことです。髪の毛の 約1/5000程度です。これだけ細いのに熱や薬品に強く摩耗に も耐えます。そのため「奇跡の鉱物」などと呼ばれ、1960年代には建設現場を中心に非常に重用され、さまざまな利用がされてきま した。
アスベストは種類があり、白石綿、青石綿、茶石綿等があります。一番使われたのが白石綿、工業的に利用されれたのは青石綿、茶石綿です。
○アスベストの何が悪いのか?
答えは明白で健康に被害が出る可能性が高い点です。アスベストは空気中に浮遊する状態で人が吸うと病気の原因となります。
アスベストに起因する病気の代表に中皮腫があります。腹膜や胸膜にできる悪性の腫瘍で、根治治療法はなく発病から5年以内にほぼ死亡する恐ろしい病気です。しかも
潜伏期間が30年から50年と長いのもやっかいで、現在騒がれている原因でもあります。ほかにアスベスト肺、胸膜肥厚斑などがあ
ります。他にも肺ガン、胸膜炎などの可能性も指摘されています。
代表的な中皮腫は、アスベスト以外でも発症する可能性は指摘はされているものの、アスベスト以外の可能性が非常に低いです。
実はアスベストの健康被害は1906年にイギリスの医師が初めて報告したといいます。ですから非常に古くから問題視されていたのです。今になって騒がれているのが不思議です。
ただ、どの程度のアスベスト吸入の量や濃度で発症するかは未だはっきりしておらず、今後の研究を待たねばなりません。従って今
となっては、これからアスベストを吸わないように環境を整備する必要があります。今後アスベスト関連の商品がなくなるはずなので既存のアスベストが飛散しないよう除去することが最優先です。
○アスベストは、どこに使われている?
アスベストは、溶岩が冷えて固まるうちに、結晶が細長く成長して繊維状になった鉱物で、主成分はケイ酸マグネシウム塩。細くしなやかで、折れにくく、強い力でこすっても擦り減らない。もとになる岩石で分類されるが、工業用として一般に使われたのは青石綿、茶石綿、白石綿の3種類だ。
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| 北海道の鉱山から採れた、白石綿を含む岩。絹糸のような光沢がある白い線維状鉱物がアスベスト(産業技術総合研究所地質調査総合センター) |
酸やアルカリなど化学薬品にも溶けないうえ、熱に強く、もちろん燃えない。繊維状なので、布のように織ったり、糸に紡いだりと加工が楽だ。何より、天然に広く産出するため、価格が安い。産業界にとって、これほど都合のよい素材はなかった。
用途は幅広く、耐火や断熱、吸音のために、建物の鉄骨や天井、壁にセメントと一緒に混ぜて吹き付けられたほか、劇場などではアスベストで織った防火カーテンが使われた。薬品や熱に強いうえ密着性も高いことから、化学プラントや原子力発電所の配管の継ぎ手のパッキンにも使われた。
身近なところでは、魚焼きの網や、トースター、ヘアドライヤーなどの電化製品の断熱用材料にもかつて使われていた。接着剤や日本酒醸造のフィルターなどにも使われ、用途は3000種類にも及ぶという。
全国の小・中・高校でも天井などにアスベストが吹き付けられていた。その実態の一部が旧文部省の調査で判明し、「学校パニック」と呼ばれたこともある。
アスベストが使われた屋根板や外壁材、断熱材などは、今も一般家庭に残っている。吹き付けと違い、こうした建材からはアスベストは飛散しにくく、日常生活で吸い込む可能性は低いが、古くなってひび割れた場合や、解体作業時には飛散する恐れがある。
☆アスベスト新法
2006年2月3日に国会で成立し3月27日より施行された法律で正式名称は「石綿による健康被害の救済に関する法律」といいます。この手の法案としては非常に珍しくスピード成立しました(クボタ旧工場周辺住民への被害が明らかになり話題になってから約7ヶ月)。
石綿による健康被害が深刻化するなか、健康被害にあった方への救済目的がメインです。
1:救済される疾患はアスベストが原因の中皮腫と肺がん。またアスベストを吸入することにより発生する疾病であって政令で定めるもの。
2:周辺住民など労災補償を受けられない患者と遺族が対象。
3:救済給付は認定を受けた方(被認定者)には、医療費(自己負担分)、療養手当、葬祭料、救済給付調整金の給付、また法律施行前に死亡した方の遺族に対する特別遺族弔慰金、特別葬祭料の給付があります。
4:認定・給付は独立法人環境再生保全機構が行う。財源は国や都道府県のほか労災保険適用事業主から徴収。石綿関連企業から拠出金を徴収。
☆アスベストを含む商品と危険度
アスベストを含む建材は、除去時に発生するアスベストの粉塵の発生量によってレベル1、2、3に分類されます。
レベル1は石綿 吹き付け等、特に危険なものです。
基本的に1989年以降であれ ば含有はないと判断できます。逆にそれ以前の吹きつけではアスベ ストが含まれている可能性があります。
レベル2は耐火被覆材等です。
耐火被覆材は91年以降、断熱材は8 9年以降の施工であればアスベストは含有されていないことになっています。ボイラー、配管、空調ダクトの保温材や梁柱の耐火被覆である石綿耐火被覆板など多岐にわたります。
一見安全そうですが比重が低く発じんしやすいので、除去にはレベル1に準じた方法が
求められます。
レベル3は、その他のアスベスト含有建材です。
発じん性が低い反面、2004年まで製造されていたものがあり注意が必要です。天井、壁、床材のアスベスト含有成形板やビニル床タイル、屋根の
スレートなど非常に多岐にわたります。施工時期での判断は難しい ので、具体的な建材名と製造年から類推し、わからない場合はサン
プルを採取し調査する必要がある場合もあります。発じん性が低いが破砕、切断作業は危険なのでリフォーム時等には注意が必要です。
リンク
神奈川県立循環器呼吸器病センター
トピックス アスベストQandA 服部事務局長
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