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☆手すりの取り付け
街中で、公共施設や駅の階段で、手すりを見る機会も増えています。あれば便利なのが手すり。バリアフリーだけではなく ユニバーサルのデザインとして建築に馴染んでいくことが理想です。
さて、住宅改修における手すりの取り付けについて、手すりの目的とは…
○手すりは主に3つの目的で設置されます。
まずは、姿勢の保持。 駅の階段でチョッと触れる手すりはこの役割がありますし、JR福知山線の列車事故では吊革につかまっていた乗客に死傷者が少なかったと車内安全確保でも注目されるようになりました。
2つ目に、移動のため、3つ目は、立ち上がりの目的です。
廊下や段差部分に取り付けるものは、移動に役立ちます。
立ち上がりの場合、手すりを使って体を引っ張る、体を押し上げるなどの動作を助けます。
トイレや浴室に設置することが多いのですが、体に近すぎたために全く役に立たないなどということも稀ではありません。
○握りやすい太さとは
古い建築物などでは、5cmほどの見るからに太い手すりを見ることがありますが、一般に3cm〜4cm程度のものが握りやすい太さとされています。
もちろん男性女性で手の大きさも握力も違いますし、住宅では、力の入りやすい太さをひとり一人検討することが重要です。
さらに握りの部分に凹凸のくぼみを付けたものや、メッシュ仕上げにして滑りにくくしたものなども出ています。
○木製か樹脂製か
住宅内の手すりの素材は木製が主流です。
ステンレスやスチールだと、やはり違和感があります。
水がかかる心配のある浴室やトイレは、金属に樹脂をコーティングした樹脂製の手すりが多く用いられます。
屋外の場合、耐久性や耐候性、温熱環境などを考慮する必要があります。
金属にしたために、夏場は熱くなってさわれないでは、手すりを付けた意味はありません。
○手すりの種類
◇ I型 ◇
一般的な手すりで、縦にも横にも使えるI型手すり。
玄関や廊下、トイレ、浴室など、あらゆるところで活躍します。
階段などに設置する場合は、金具などで接続することになります。
ちなみに取り付けに使う金具をブラケットと言います。
下から受けるもの、両端で固定するものなどいくつかありますが手を滑らせたときあたらないようにするのがポイントです。
◇ L型 ◇
体の保持と、立ち上がりなどに使えるのがL型手すりです。
トイレの壁面や浴槽の脇に付ける場合が多いでしょうか。
手すりがL型になったもののことですがI型を2本直角に組み合わせて対応する場合もあります。
取り付けの際、縦、横の位置合わせが重要です。
◇ オフセット型 ◇
言葉で説明すると難しいのですが柱や壁の裏側に設置された手すりを手前から持てるように持ち手の部分が横に張り出しているものがオフセット型です。
浴室や居室の入口に縦に取り付け、出入りの際の補助となります。
柱のコーナーに取り付けるI型手すりも同様な効果があります。
☆TOTOインテリアバー・Fシリーズ オフセットタイプ
http://www.com-et.com/newpro/04_04/32.htm
◇ その他 ◇
波型や田の字型になって、どこでもつかめるようなものもあります。
☆波型手すり クネット
http://www.qunetto.com/
☆テスリックス
http://www.joho-yamaguchi.or.jp/mac/aro/tx/tx2.htm
○どこに付けるか
◇ 段差部分 ◇
階段や段差の昇り降りに、手すりを取り付けます。
手すりを持って体を上下するためには、縦手すりが有効です。
つかまって、「よっこいしょ」と体を持ち上げたりするわけです。
場所は、玄関の上がり框、屋内外の階段、室内外の段差のあるところすべてが対象になります。
◇ 移動部分 ◇
歩行の際の安定のために平行に取り付ける横手すり。
廊下や居室、水まわりに設置を検討しましょう。
握った手を滑らせるだけでなくリウマチの方は腕を乗せて体を支えたりと使います。
靴を履いたりするとき、体を支えるためにもあると便利です。
◇ ドア・出入り口 ◇
ドアを開けたり閉めたりするときどうしても力が入り、支えが必要になります。
安定してドアや引き戸の開け閉めをするためにドアを操作する手と反対側に手すりがあると便利です。
◇ トイレ ◇
トイレは、自立を考える際の大切なポイントとなります。
自分でトイレに行って、用を足すことはとても重要です。
出入り口や、立ち座りに手すりがあれば、自立や介助が容易になります。
一般的には、出入り口の縦手すり、トイレ内の横手すり便器横にL字手すり、立ち上がりのために正面の横手すりなどを選択して検討することになるでしょう。
取り付ける際には、高さや便器からの距離にもっとも神経を使わなければいけません。
◇ 浴室 ◇
浴室では、移動などの動作に加え服を脱いだり、さらに複雑な動作が加わります。
服を着脱する際には、姿勢が不安定になりますし浴室は滑りやすく最も事故の危険性の高いところでもあります。
トイレ同様、脱衣室や浴室入口の縦手すり、浴室内には移動や姿勢を安定させるための横手すりを検討します。
さらに、浴槽のまたぎをどうするかも大きな問題です。
立って入るか、浴槽の縁に腰掛けて入浴するか。
福祉用具の利用なども検討しながら入浴方法によって、手すりの取り付け位置を決定します。
◇ おまけ ◇
床と天井に付ける、突っ張り棒のような手すりもあります。
DIPPERホクメイ「ベストポジションバー」
http://www.dipper-hokumei.co.jp/bpbsyoukai2.htm
また、家具や椅子、ドアの取っ手なども手すり代わりになります。
手すりを付ける場所が見当たらないときには安定の良い家具や椅子を置くのも一つの解決方法です。
「どこに付けるか」ということは、実は壁などの状況に大きく影響されます。
○どうやって付けるか
手すりはしっかりと取り付けなければなりません。
取り付けが不安定では、家庭内事故の原因がもう一つ増えるだけです。
どうやって付けるかには、取り付け場所の下地がポイントです。
木造住宅の壁、風呂場のタイル、マンションのコンクリート壁、ユニットバス、
下地の強度はそれぞれに違います。
DIYでも手すりは付けられますが、下地が弱い場所についている場合があります。
大工がつけると、「下地のあるところに付けた」ということも少なくありません。
手すりはしっかり設置されていても、使えません。
柱に付ける場合は、ビスで留めるだけで完成です。
壁に付けるには、壁の中の柱を探します。
壁の中の柱に付けるか、柱に下地板を取り付けてそこに手すりを設置します。
浴室のタイル壁の場合、特殊なプラグでタイルに打ち込みます。
コンクリートにも、プラスティックのプラグを使います。
下地の状況によって、固定方法はいくつかあります。
注意するのは、穴からの水の浸入。シーリング処理を行います。
ユニットバスには、下地を造ったり、特殊な器具を使ったり、接着剤で固定したり。
さまざまな方法からベストな工法を選択します。
外部アプローチの手すりの場合、取り付けはもう少し大掛かりになります。
手すりを固定する柱を設ける必要があるのですが穴を開けてモルタルで固定するか、特殊なボルトで打ち込むか。
このように取り付ける場所によって、方法を選ばなければなりません。
■手すりの取り付け(浴室編)
入浴時の介護者の負担は大変です。
さらに、裸になること、滑りやすいこともあって万一の時には、転倒事故などの大きな事故にもなりかねません。
冬場には、温度変化による心筋梗塞や脳梗塞の危険性も多いところで住宅改修にあたってはさまざまな面から検討しなければいけません。
また、従来の浴室は脱衣室から15cm程度下がっているのが普通です。
浴槽への出入りも、段差があるし、片足になる不安定感もあります。
脱衣室 → 洗い場 → 浴槽 への移動を細かくチェックしてそれぞれお動作に対応した手すりの位置を検討しましょう。
また、浴槽への出入りはどっちの足からどうやって入るのか、浴槽内ではどちら側を向いて座るのか?立ち上がるときは、どうやるのか。
一つひとつの動作を、必ず本人や介護者に聞いて行いましょう。
入口部分の縦手すり、移動のための横手すり、浴槽へ入るための横またはL型手すり。
浴槽内での姿勢を安定させるための横手すり、立ち上がるときにつかまる縦手すりが標準的でしょうか。
万一の時に手が届く範囲にできる限り多く付けるのがベストだと考えています。
■手すりの取り付け(玄関・廊下編)
トイレ、浴室についで、手すりの要望が高い場所は廊下です。
移動をスムーズにするために、廊下や寝室、リビングの壁面に横手すりを取り付けるケースが少なくありません。
高さは足の大腿骨大転子(股関節の外側、でっぱっているところ)または尺骨茎突点(手首の小指側のでっぱり)とされ、つたい歩きしやすい高さとして、一般的に約75〜85cmとされています。
しかし、この高さは身長によって異なります。
また背中が曲がっていた女性などでは、もっと低くなるのが普通です。
身長だけでなく、移動のときの姿勢を考慮しなければいけません。
また、腰の曲がり具合や姿勢は安定したものではなく時間と共に変化するということも考慮しなければいけません。
ご利用者を交えた現場での確認が欠かせないわけです。
太さは32mmか35mmで良いでしょう。
横手すりの場合には、手すりの端部に引っかからないようにすることも重要です。
柱に取り付けられる場合は、比較的簡単に付けられます。
壁に取り付ける場合は下地を調べることになりますが一般の人には、これがなかなか難しいところです。
しっかりと下地に取り付けるためには、やはり専門家が必要になるのです。
■手すりの取り付け(段差を越える)
段差には、またぎ段差と片段差があります。
段の両側が低くなるのがまたぎ段差、片方が高いか低いのが片段差です。
このうちまたぎ段差は、住宅でもっとも問題となるバリア(障がい)です。
とくに段の部分に幅があると越えるのも難しくなります。
このような段差では、片足を持ち上げたときに姿勢が不安定になります。
段差につまずく、下ろした足が段差に残って転倒するなどの危険があります。
転倒のリスクを減らし、姿勢を保持するのが手すりです。
高齢者のお宅にお邪魔すると、ちょうど手が触れる位置に長い間に手の跡で黒ずんでいるところがあります。
そこに手すりがあれば、すぐにでも役に立ちます。
段差部分の手すりは、30cm程度の短いもので十分です。
壁や柱などに、縦に取り付けます。
高さは、肘の高さから肩の高さの間。
これより低い部分、高い部分は、用をなしません。
太さは、32mm程度の細めのほうが握りやすくてよいでしょう。
高低差が大きい場合には、上からも下からも使える位置を検討します。
この縦手すりは、ドアの開け閉めの際にも役に立ちます。
開き戸にしろ、引き戸にしろ、ドアを開けるときには力が要ります。
手すりを握ることで、力が入れやすくなるのです。
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