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☆地震から守る

■守りたい人のために、できることとは
 日本は、どこかで地震が起きています。身体には感じないような小さな揺れかもしれませんが、巨大地震となってあなたや家族を襲ってくるか分かりません。
 震災が起こったら、家族のために何をしてあげられますか。願いは無数にあります。それでもとっさにできることは、ほんのわずかです。
 災害から大切な人を守るヒントは、毎日の生活にあるのです。知識や判断力。住まい。持ち物などなど。非日常時を乗り切るチカラになるはずです。家族にとって、親しい人にとって、頼りになる存在であるために。
 今からできることを、一緒に考えてみませんか。

○病気と疲労が三次災害!
 被災から数日が過ぎ、最初のショックが和らいでくると、過酷な避難生活がもたらす多大なストレスと過労によって家族が体調を崩すかもしれません。また、地震で大切な人や財産を失うことで、生きる気力をなくすことも少なくありません。
 阪神・淡路大震災では6500人にもおよぶ死亡者のうち、避難生活で健康を害して亡くなった災害関連死は900人を超えたといわれています。死因の中で多いのは心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系の疾病で、家にお年寄りがおられる場合は注意が必要です。冬場であれば、風邪やインフルエンザ、肺炎に気を付けてください。
 共同生活では、一気に蔓延する恐れがあります。

  <地震のストレスと心臓発作>
 地震などの強烈なストレスは、心臓に思わぬ負担をもたらします。阪神・淡路大震災でも、被災直後に心臓発作の患者が急増しました。できるだけ、上手なストレス解消を心がけてください。

○震度は小さくても津波は発生する!
 わずかな揺れでも、大きな津波を発生する「津波地震」と呼ばれるものがあります。これは遠い海底で地震が起こるので、震度は小さいのですが、巨大な津波を発生させます。しかも、津波は、警報より早く陸に達することもあります。
 2004年のスマトラ沖地震で発生した津波は、30万人以上の死者・行方不明者を出す観測史上最大の被害になりました。こうした津波は日本でも起こる可能性があります。もし海の近くで揺れを感じたら、とにかく高い場所へ避難。警報が出ていなくても、震度が小さくても、安全の証明にはなりません。「高台に避難」が、家族を津波から守る
確実な方法です。

 <震度4でも高さ38.2メートルの津波が襲った>
 日本最大の地震津波といえば、1896年に岩手県綾里村を襲った明治三陸沖地震津波です。この地震は三陸沖約150キロを震源とするM8.5の地震だったのですが、陸の震度は大きくても4程度でした。しかし、高さ38.2メートルの大きな津波が発生し、多数の犠牲者を出す大惨事となったのです。

○冷静になる!
 地震を感じたら何より家族の安否を確認し、慌てず落ち着いて家族を誘導しなけれ ばなりません。冷静な判断ができない状態では、自ら危険の中に飛び込むような もの。
 大地震だからといって、すぐ避難するのは得策ではありません。基本的には 自宅が倒壊せず、火災も津波も発生していなければ避難は不要です。
 慌てて外に出る と、落下してくる瓦やガラスによって不必要な傷を負うことにもなりかねません。 まずは火元や持ち出し品の確認、出口の確保、情報収集したうえで、避難が必要なら 慎重に行動します。
 落ち着いて行動できるよう、日頃から防災訓練を行うことも 重要です。

  <避難前の10箇条>
   1、グラッときたらまず、身の安全
   2、素早い消火と火の始末
   3、窓や戸を開けて、出口を確保
   4、慌てて外へ飛び出さない
   5、室内のガラス片に気をつける
   6、家族、隣家の安全を確かめ合う
   7、協力し合って救出・救護
   8、避難の前にガス・電気の確認
   9、門や塀に近づかない
   10、正しい情報で、確かな行動

○安全な所で眠る!
 生活に欠かせない家具や電気製品。それが地震の時には、凶器として襲ってきます。もっともコワイのは、無防備な睡眠中の地震。
 寝ている所に家具が倒れてきては避けることもできません。そうした被害から身を守るには、寝室には何も置かないことが理想ですが、やむをえない場合は、家具が身体の上に倒れてこないような配置計画や、家財道具を柱や壁にしっかり固定することが大切です。照明器具も落下しないよう鎖などで補強。
 高いところは不安定な物を置かず、収納するときも重い物を下に入れるなど、少しの工夫で転倒を防ぐことができます。また、揺れにくい構造の建物を選ぶというのも有効です。

 <阪神・淡路大震災では、家具転倒が危険>
 明け方に発生した阪神・淡路大震災。大半の人が眠っているところを地震が襲いました。そのため、家具などの転倒によって、ケガをした人がとても多かったのです。ほかにも、散乱した家財道具や日用品に出入り口を阻まれ、逃げ遅れた人もいました。家具の配置や固定は、地震対策の基本原則なのです。

○自分だけは大丈夫という考えを捨てさる!
 周りをプレートに囲まれ、地中にもたくさんの活断層がある日本。カラダには感じなくても毎日どこかで地震が起きています。それでも、自分の地域だけは大丈夫だと思っている人がほとんどではないでしょうか。もちろん、すべての
活断層やプレートが今すぐ地震を起こすわけではありませんが、一定期間内に大地震が発生すると予測されている地域も少なくありません。
 その中に、私たちが住んでいる静岡県が含まれています。それに、地震を予測できたとしても、発生そのものを防ぐことは不可能です。
 家族を危険から守るためには、事前の対策しかありません。十分な知識と物資を貯え、いつかくる大地震に備えましょう。

 <震災は忘れた頃に> 
 これまで「都市では地震は起こらない」「活断層がない地域は地震が起こらい」といった根拠のない安全神話がありました。それを崩したのが阪神・淡路大災。
 また、2000年には活断層がないといわれていた鳥取県西部で活断層が動きました。2004年の新潟県中越地震も活断層がないとされていた地域で起こった地震です。それでもまだ、十分な備えをしていない人が意外と多い様です。

○電子マネーより現金が便利!
 大震災を経験した方が持っていれば良かったと思ったベスト3は、ラジオ・お金・水の順でした。避難所生活では物資が不足してくることもあるでしょう。そんな時、現金がないと何も買うことができないのです。クレジットカードやプリペイドカード、そして電子マネーが普及してきた現在。キャッシュレス時代ともいわれていますが、通信が途絶え、機械類も破損する大災害時には現金以外は使えません。
 それほど多額の現金は不要ですが、5万円ほどを非常持ち出し袋に入れておくといいかもしれません。使う、使わないに関わらず、多少の現金があれば心にもゆとりが生まれます。

  <被災時の銀行活用法>
 避難するときに通帳や印鑑を持ち出せればいいのですが、緊急事態では難しいものです。しかし、通帳や印鑑がなくても、本人確認さえできれば銀行で10万円くらいなら引き出せるようになるような特例もあります。定期預金の期限前払い戻しにも応じてもらえるでしょう。最低限、身分証明書のコピーくらいは非常袋に常備しておきましょう。

○揺れがおさまっても安心はしない!
 大きな揺れがおさまっても、まだまだ油断は禁物です。火災や津波の二次災害の恐れもありますし、何より本震に続く余震が被害をさらに拡大させるのです。
 余震は本震に比べて規模が小さいものですが、だからといって被害が小さいとは限りません。度重なる揺れが、崖を崩し、家を倒壊させるのです。また、本震で負傷した人がいる時は、次の余震発生までに、救助しなければ、ますます危険な状態になります。救出活動中は余震による被害を拡大しないよう注意し、家族や近隣と協力し合って地震後の活動を行うことが大切です。

○出口を確保する!
 これまでの防災対処の基本は、「机の下に隠れて様子を見る」といわれてきました。でも、本当に大切なのは隠れなくてもいいよう家具を固定し、高いところに物を置か ないようにすること。
 実際に震度7の大地震が起きた場合、自分の意志で動くことは できません。つまり、机の下にたどり着くことはムリなのです。それに、机の下に 隠れていても家屋が倒壊しては意味がありません。地震で最優先して行わなければな らないのは、家族の安全確認と出口の確保。
 ドアが歪んで開かなくなる前に、開けて おき、いつでも逃げられる準備をしておきます。もちろん、ガスと電気の確認は確実 に行ってください。

 <一致しない、地震の規模と被害>
 直下型地震は、被害の大きさから大規模地震というイメージがあります。しかし実際は半径20〜30キロ程度の狭い範囲で起こる比較的小さな地震です。
 ただ、浅い場所に震源があるため大きな震度になるのです。そのうえ、最初の小さな揺れ(初期微動)と後からくる大きな揺れ(主要動)がほとんど同時に来るので、机に潜り込む余裕はないでしょう。

○必要なものは、手の届く場所に!
 突然の大地震後に、すぐに動けるかどうかが家族の生死を左右します。だから眠るときには懐中電灯やスリッパ、ラジオをはじめ、メガネやヘルメット、携帯電話は必ず手の届く枕元付近に置くように習慣づけましょう。
 特に、視野を確保する懐中電灯やメガネは絶対になくてはならないアイテム。普段コンタクトを使用している人もメガネは常備しておきましょう。
 また、外出時の被災に備えて、家族の写真や個人情報カード、筆記用具なども持ち歩くようにしておけば、役立ちます。
 もしものために、便利なアイテムは常に身近に用意しておきましょう。

 <常に用意したいアイテムチェックリスト>
 自然災害においては、準備に勝る安心はありません。寝る前やお出かけ前に一度持ち物チェックしてみて下さい。
   ◇メガネ  ◇カギ  ◇スリッパ・スニーカー  ◇現金
   ◇携帯電話・スペア電池・充電器  ◇ラジオ  ◇懐中電灯
   ◇家族の写真  ◇個人情報カード

○サバイバルよりも備えを!
 大きな災害から家族を守るために不可欠なのは、なんといっても日頃の備え。どんなにすぐれたサバイバル術を身に付けていても、それは揺れがおさまってからのことです。家具の固定、家の補強など何もしていなかったとしたら、すべてが手遅れになるかもしれません。特に直下型地震の激しい揺れでは、身体も自由に動きませんし、パニックに陥って的確な行動をとることも難しくなってしまいがち。
 そんな時、十分な備えがあることは実質的なメリット以上に、心理的な安心感があります。対処術が生きてくるのは、それからあとの話です。まずは身の回りを整えましょう。

 <阪神・淡路大震災は何もできなかった>
 阪神・淡路大震災が起こったとき、人々はどういう行動をとったのでしょうか。あるアンケートによると、39.5%の人が「何もできなかった」と答えています。被害を最小限に保ち、家族を危険から守るため、家具の固定などの準備は確実にしましょう。

○避難場所の不便を上手にしのぐ!
 避難所に指定されているのは、小・中学校の体育館や公民館が大半。こうした建物にはエアコンや個室などが設置されていない場合がほとんどです。家族にお年寄りや身体の弱い人がいるなら気を付けたいのが寒さ。女性にはプライバシーの問題が重くのしかかってくるでしょう。
 そこで有効なのはダンボールや発砲スチロールです。マットレスの下に敷いておくとクッションになるだけでなく、中に含まれる空気が断熱材になって身体を温めてくれます。ほかにも、隣とのスペースを区切るついたてとしても利用できるほか、簡単な更衣室にもなるでしょう。
 眠るときにはアイマスクや耳栓も便利です。

○呼びかけより、耳を澄ませる!
 大地震では、崩れたブロック塀や家屋の下に埋もれる被害者が多数発生します。阪神・淡路大震災でも多くの人が建築物の倒壊によって負傷し、亡くなりました。
 救出のときは、名前などを呼びかけるのもいいですが、何も言わずに耳を澄ませてみてください。それは周囲が騒音で溢れ、大切な人の声がかき消されてしまうからです。逆に自らがガレキの下で身動きがとれなくなった場合も、ムダに声を出さず体力を温存します。救出まで持ちこたえることが重要だからです。そして、人の気配を感じたら、声ではなく音を出すといいでしょう。金属のようなものを叩いて知らせる方法がベストです。

  <サイレントタイム>
 1995年5月23日にサハリン州で発生した直下型地震では、画期的な救出方法が採用されました。それが「サイレントタイム」。1日に数回、救助にあたる重機やヘリコプターを1時間だけ完全に止めて、音のしたところへ旗を立て、集中的に救助をする方法です。この作戦は、100人以上の生存者を救出しました。

○行動前に、状況と情報を!
 いったい何が起こったのか。人は大地震の衝撃にパニックになりがち。さらに 地震の被害が大きければ大きいほど、直後にさまざまな情報が入り乱れます。
 しかし おそらく停電でテレビは使えなくなるため、まずはラジオで正確な情報をつかむこと が必須です。公共の放送機関では、災害関係のニュースを迅速に報道する体制が整え られているので、被災直後から津波や交通情報などが届きます。
 最近ではラジオや テレビ、ネット機能の付いた携帯電話もあるので、活用できそうです。被災した街の 様子は刻一刻と変化します。第一報だけではなく、第二報まで聞くことが、より確実 な避難につながります。

○非常品袋の、中身は節約しない!
 非常持ち出し品というと一度準備したきりほったらかしで、押入れの奥に放置されていませんか?それでは、せっかくの準備も意味がありません。
 非常品袋はすぐに持ち出せるよう、出入り口に近い場所に保管するのが正解です。そして中身が劣化していないか年に一度は点検しないと、いざ開けてみるとガラクタばかりという事態になりかねません。
 避難生活は想像以上に大変なもの。不自由な状況で家族にガマンさせないためにも、便利で確かな物を用意してください。緊急避難のための第一次持ち出し品と避難生活のための第二次持ち出し品に分け、10キロ以下にすれば持ち運びもスムーズです。

 <非常品をチェック>
 非常持ち出し袋があるご家庭も、これから用意するご家庭も、チェック表の項目を参考に、ご家族みなさんでチェックしてみてはいかがでしょう。
   第一次持ち出し品(一日分)
    ◇ヘルメット  ◇マスク  ◇ゴーグル  ◇軽食料品  ◇水
    ◇携帯ラジオ  ◇常備薬  ◇現金  ◇懐中電灯  ◇雨具
    ◇通帳・保険証のコピー  ◇ナイフ  ◇ポリ袋  ◇水筒
    ◇予備の電池(単1・単2を多めに)
   第二次持ち出し品(三日分)
    ◇食料  ◇水  ◇ライター  ◇ろうそく  ◇食器  ◇防寒着
    ◇毛布  ◇下着  ◇印鑑  ◇生理用品・おむつ

○わが家の強さを再調査!
 家族のために食料や水の備えをしていても、家が倒壊しては意味がありません。地震対策をはじめるなら、まず家の耐震性から調べましょう。最新の建築工法では地震に強い設計がされているので、比較的安心ですが、住み慣れたわが家はどうでしょうか。
 設計図があればもう一度見直し、基本的な構造くらいは知っておくことが大事。また、無料耐震診断制度を設けている市町村が殆どですので、相談してみるといいでしょう。耐震リフォームなどをする場合は、助成金制度も利用可能です。
 現代では強い家を選ぶことが、愛する家族の安全を守ることにつながります。

 <木造在来工法の耐震性能は不安?!>
 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が2002年7月から2003年6月の間に行った耐震診断の結果、1950から2000年着工の木造在来工法の住宅で「やや危険」が23%、「危険」が53%と診断されています。
 木造在来工法のすべてが弱いわけではありませんが、事前に耐震診断を受け、十分な補強をおすすめします。

○避難場所のトイレは清潔に!
 断水すると真っ先に問題になるのがトイレ。阪神・淡路大震災後、兵庫県西宮市が行った調査によると、震災で困ったことの第一位に「トイレなどの生活用水の確保」を挙げる回答が83%を上回りました。避難所などの仮設トイレは、紙が不足するだけでなく、短期間に大勢の利用があるため非常に衛生状態が悪くなるのです。
 そうなると、トイレに行きたくないことから水分を取らなくなり、やがてエコノミー症候群を発症するなど健康面にも影響が現れてきます。汚物を放置すると細菌が繁殖し、伝染病など新たな問題も生まれます。家族の健康のためにも清潔に保つことが重要です。

  <もうひとつの衛生管理「ゴミ問題」>
 地震が発生すると「生活ゴミ」に加えて瓦礫などの「震災廃棄物」が出ます。そのため、ゴミの収集が間に合わず、たまり続けるゴミに対応しなければなりません。夏場なら害虫や伝染病を防ぐため、密封するなど工夫も必要です。
 自宅での避難生活なら庭に埋めることもできますが、公園などに埋める不法投棄はもってのほかです。

○ガスと電気の元栓を止める!
 地震と火事はセットといわれるほど、ほぼ同時に発生します。阪神・淡路大震災 があった1月17日の火災件数は290件。
 そして、全焼した家は約7500棟に も上がりました。その原因の60%は電気とガス。だから揺れを感じたらすぐに 電気、ガスの火元をしっかり閉めて二次災害を防ぎましょう。
 安全装置の付いたマイコンガスメーターでも絶対安全という保証はなく、漏れた ガスが爆発した例もあります。避難するときにガスの元栓を閉じるのは鉄則。
 電気 は、復旧したとたん壊れた電気機器から発火することもあるので、ブレーカーも 忘れずに切るようにして下さい。

 <大震災の火災恐怖>
 関東大震災では44万件が全焼し、亡くなった人の80%は焼死でした。火災の原因は、午前11時58分という時間帯。ほとんどの家庭では、昼食の準備が行われていたのです。火を使っているときの地震は何よりも、火災が被害を広げます。また、阪神・淡路大震災では早朝にも関わらず、6148棟の住宅が全焼しました。素早い消火も大切ですが、オール電化キッチンを利用するのもひとつの手段。火を使わないので安心です。

○非常食もみんなの好物を!
 震災直後は商店も被災しており、食料を手に入れるのが困難になります。現代の日本ではおよそ3日後には救助活動が行われるため、最低3日分の非常食を備えておきましょう。
 しかし、救助活動が必ずしもスムーズに行く保証はないので、できることなら少し多めにあれば安心です。非常食といえば、カンパンなど味気ない物を連想しますが、こういうときだからこそ栄養のあるものを。
 おいしい物は心理的にも、疲れを癒してくれます。食料の保存で必須なのは賞味期限の点検です。調べるついでに、期限の切れそうなものがあれば試食会を開くなどすると楽しくチェックできます。

 <非常食の品揃えはこだわりを>
 食事への不満は、ストレスの大きな原因です。カラダのためにも、ココロのためにも、好きなものを用意しておきましょう。
   ◇アルファ化米・・・水をそそぐだけでおいしいご飯になります。
   ◇パンの缶詰・・・いつでもフカフカのパンが食べられます。
   ◇非常用ラーメン・・・5年間の長期保存が可能。
   ◇非常用缶入りみそ汁・・・具は入っていませんが簡単な栄養補給に。
   ◇缶入りドロップ・・・甘いものは疲労回復に効果があります。
   ◇酒類・・・体を温めたり、傷の消毒に使えます。また、リラックス効果も。

○家の耐震性能は足下から!
 住まいを支える「基礎」は、その名の通り耐震性能においても「基礎」そのもの。家が強くても基礎が弱いと、足下から崩れてしまいます。特に注意したいのが古い家の基礎。柱と土台がきちんと固定されていないことがあり、家が浮くような地震があると一気に倒壊してしまうのです。
 最近の建物であれば、それほど弱い基礎を使うことは少ないはずですが、念のために調べておくとよいでしょう。現在の住宅で一般的なのは「布基礎」と「ベタ基礎」。費用はベタ基礎の方がかかりますが、耐震性に優れているので、阪神・淡路大震災以来、主流になっています。

 <古い家は危ない?>
 地震における建物の安全性能は時代とともに見直され、進化してきました。阪神・淡路大震災でも築70年以上の住宅で多くの負傷者や死亡者が発生しています。
 もちろん年数だけが原因ではなく、維持管理や手抜き工事などが、原因の場合もあり、「古い」イコール「危ない」とは言い切れませんが、古い家はより注意が必要です。

○子どもと遊び、たっぷり話す!
 被災のショックと過酷な環境は、子どもの心にダメージを与えます。しかも、うまく苦痛を表現することができないので、ストレスを抱え込むこともしばしば。
 辛い状況では、大人が積極的に気づかってあげましょう。特別に何かをする必要はなく、子どもの気持ちになって一緒に遊ぶだけで安心させてあげられます。
 また、小さな子どもは夜になると不安になるので、寝るときにはゆっくりとお話をして落ち着かせて眠らせてあげましょう。そうした気分転換は大人のストレスも和らげ、子どもの明るい笑顔は雰囲気を明るくしてくれるでしょう。

  <P T S D>
 PTSDとは「心外的外傷ストレス障害」のことで、心に大きな傷を負うことで精神のバランスが崩れ、心理的な障害を起す心の病。子どもがかかりやすいので注意してください。先の震災では多くの人がこの「PTSD」患いました。主な症状は、突然、恐怖体験がフラッシュバックする、周囲の刺激に過敏反応し、常に緊張状態になる、無気力になり、日常生活さえ困難になるなどがあります。

○急ぐから、クルマより徒歩!
 大きな地震の直後は、車で移動するべきではありません。大きな余震に遭うかもしれませんし、崩壊した路面で予想外の事故を起す可能性も考えられるからです。
 特に災害時はちょっとしたことで渋滞が起き、緊急車輌の妨げになることもしばしば。急いで避難したいなら、徒歩の方が安全で早いことを覚えておきましょう。渋滞が原因で大被害を出したのは、1993年の北海道南西沖地震。
 車で避難しようとした人々が渋滞を招き、身動きできないところを津波に襲われました。どんなに便利な道具も、状況に合わせた使用方法が大事です。

  <震災Q&A>
   Q、走行中の地震で他車と接触しました。自動車保険で修理できますか?
   A、地震の揺れだけが原因であれば、自然災害による不可抗力なので保険金は支払われません。自動車保険は通常、地震・噴火・津波を原因とした損害は免責となっているのです。しかし、車両保険には天災による損害も補償する特約があります。

○出火後は、煙に注意し脱出する!
 地震でストーブやレンジが燃えたとしても、5分以内であれば消火器で消すことができます。火を見ると平常心を失いがちですが、火事でコワイのは炎ではなく煙です。
 「火が小さいから・・・」と消火器具を使わずに、ひとりで消していると煙に視界を奪われ、発生する有毒ガスなどの中毒で命を失うこともあります。さらには、助けるはずの家族まで巻き添えになるかもしれません。消火が間に合わなければ逃げることも必要。
 特に天井まで火が回ると、消火は不可能。濡れたハンカチを口に当て、低い姿勢で避難してください。ビルなどでは煙が昇ってくる上の階に逃げるより、下の階へ避難する方が安全でしょう。

 <消火イコール水だけではない>
  火元によって消火方法が違うことを覚えておくと便利です。  
  ・ストーブが炎上しているとき水では簡単に消えないので、濡らした毛布を上からかぶせます。
  ・電化製品からの出火いきなり水をかけると感電する恐れがあるので、まずコンセントを抜きます。
  ・天ぷら油が炎上油はもっとも消火が難しい火元。水で消すのは厳禁です。油が飛び散り天井まで一気に燃え広がります。濡らした毛布かフタで鍋をふさぎ、元栓を切ります。

○ミネラルウォーターより、水道水が役立つ!
 飲料水は1人1日1リットルあれば命はつなげますが、不安なく過ごすためには多めに用意したいもの。とりあえずは、1人1日3リットルが目安です。
 保存は白い水専用ポリタンクがよいでしょう。一目で灯油と区別ができ、洗浄も容易です。俗にいうカルキが入った水道水は、蒸留水や煮沸した水よりも長持ちしますし、カルキが多少の雑菌なら消毒してくれます。
 口元から溢れるくらい水を入れ、空気が入らないようキャップを閉めたら冷暗所に。これで3ヶ月から1年は保管することができます。
 また、ペットボトルのミネラルウォーターも、消費期限は欠かさずチェックするようにしてください。

 <命を救う、5・5・5 の法則>
 災害時にいわれる5・5・5の法則というのがあります。これは、水があれば食べ物は5日間食べなくても生きられる。水は5日間飲まないと生きられない。
 呼吸は5分間止まると死ぬというもの。水は何よりの命綱。いつでも給水が受けられるよう、空の容器を用意しておくことも忘れないでください。

○土地の、揺れやすさを予想する!
 強い家と強い基礎が揃えば、次は土地。
 地盤そのものが強くなければ家族を守り切るのは困難です。震源からの距離が同じでも地盤が弱いと大きく揺れます。一般的に「軟弱地盤」と呼ばれるのは、谷や海岸を土砂で埋めた埋立地や、緩い砂で構成された土地のこと。弱い地盤では、土地の変形、沈下、液状化など大きな被害になりがちです。
 これから家を建てる場合は、揺れにくい土地を選ぶこともポイントです。また、今お住まいの敷地も地盤改良することで被害を抑えることができるので、一度専門家に相談することをおすすめします。

 <軟弱地盤が、被害を拡大した新潟県中越地震>
 新潟県中越地震では地盤被害が相次ぎ、住宅地で多かったのは、地盤の液状化でした。自治体によって行われた調査で、危険や要注意と判断された宅地は1000箇所以上にも上りました。

○夜は、ひとりで歩かない!
 震災のもうひとつの被害として警戒したいのが犯罪です。停電で人目が届きにくい上、ドアや壁が壊れているので家への侵入が容易になります。兵庫県災害警備対策本部によると、阪神・淡路大震災から1週間で378件の被害届けがあったそうです。
 多かったのはコンビニ強盗、バイクや自転車の窃盗など。犯罪発生率が高い新宿区の平成16年に起こった窃盗事件の1週間平均が112件ですから、いかに多いかが分かります。新潟県中越地震では警備が強化され、最高で通常の3倍、600名の警察官がパトロールしました。とはいえ、夜の一人歩きは絶対に禁止。いつも以上に慎重な行動が求められます。

  <弱者につけ込む手口>
 震災時には、さまざまな犯罪が発生する可能性があります。被災地の犯罪は窃盗や強盗、侵入などが多いのですが、混乱時の心理につけ込んだズル賢い手口もあるので、気を付けなければいけません。
     ●貴重品は持ち出すか、貸し金庫に預ける。
     ●点検や修理を装う詐欺に気をつける。
     ●知らない人からの電話では、個人情報を教えない。
     ●知らない人からの呼び出しに応じない。
     ●被害があったらすぐに警察に届ける。

○噂話にはまどわされない!
 被災直後は正確な情報がなかなか入ってきません。こうした、混乱状態に流れるのが、いわゆるデマ。悪意があるとは限りませんが、正しい情報が人づてに伝わる間に誇張や誤解から、間違った情報になることもあります。誰にでもデタラメとわかる内容は広まる前に消えるものですが、時としてどれも本当のように聞こえ、中には危険度を見誤るなど生命を左右するデマもあるので、注意。デマに惑わされないためには、ラジオなどの情報ツールを持つこと。そして正しい知識、冷静な判断以外にありません。
 重大な判断を迫られたとき、誰かの「逃げろ!」という声や根拠のない情報に振りまわされるのは、家族まで危険にさらすことになります。

  <デマの見分け方>
 デマには、余震情報、救援物資、交通情報などさまざまなものがあり、どれが本当で何が嘘かを見極めるのは非常に困難です。そこで、判断の参考にしてほしい言葉があります。その一つが「全」。全滅、全員、全面的など。
 話が伝わるうちに誇大化して、デマになるパターンです。
 もう一つが「日時」。何日の何時に余震があるというものです。発生時刻が入った津波情報や余震情報はないので、信じないようにして下さい。

○クルマは、路上よりも広場へ!
 車の運転中に地震が起こった場合は、絶対に運転を続けてはいけません。震度5を越えた場合、コントロールができなくなり、ブレーキも効きが悪くなります。まずは周囲に注意しながら路肩に停止します。よく、左に停止してキーを付けたまま、すぐに避難などといわれていますが、地震では故障車も道路を塞いでいます。
 緊急車両の妨げにならないよう、できれば横道へ逸れるか広場に駐車。ラジオで状況を確認してから、連絡先メモを残し、車検証を持って避難します。もちろん、ロックはせずにキーは付けておいて下さい。火の粉で車が燃えないよう、窓は閉めておきましょう。

 <車に用意したいアイテム>
 車やガレージは、わが家の避難所がわりになるケースも多く、非常事態を想定して、車にも備えがあればいざという時に役立ちます。また、車に防災用品の備えがあると、予備としても使えるので何かと役立ちます。
  ◆ヘルメット  ◆スニーカー  ◆懐中電灯  ◆毛布
  ◆非常食、飲料水  ◆ロープ  ◆救急箱  ◆水筒  ◆ビニールシート

○日曜大工道具は、災害時でも家族の味方!
 家族を救うために、応急手当ができる救急箱は当たり前ですが、地震ではのこぎりやバール、ハンマーなど日曜大工に使う道具が救命に役立ちます。バールがあれば、歪んで開かなくなった扉をこじ開けて救出に向かうこともできます。
 救助隊をあてにできない災害直後、もし家族がガレキの下敷きになっていたら、一刻も早く救い出すために救出道具は有効なのです。
 また、日曜大工の道具だけでなく、クルマのジャッキなどがあればガレキを持ち上げ救出する際に役立ちます。救出道具はガレージや屋外の雨がかからない場所に用意しておくと、すぐに使えて便利です。

 <救出道具をチェックして>
 災害時に家族やお隣さんを救えるのは、あなただけかもしれません。大切な人を守るために、ぜひ用意しておきたいアイテム一覧です。
   ◇バール  ◇ハンマー  ◇シャベル  ◇のこぎり  ◇脚立
   ◇太めのロープ  ◇大型救急箱  ◇ジャッキ

○屋根は軽い家に!
 頭が重いとバランスが悪いというのは家も同じで、上が軽くて下が重い家は地震に強いといわれます。屋根には重量があると、二階が大きく揺さぶられるだけでなく重さで建物が押しつぶされてしまう危険があるのです。
 阪神・淡路大震災で多くの家が倒壊したのは、重い瓦屋根が原因だという説もあるくらいです。伝統的な瓦は耐火性があるので火事には強いのですが、地震においては弱い一面もあります。
 地震に備えて耐震性能を補強すると同時に、屋根を軽量化するというのも防災のひとつです。軽量瓦やステンレス折版など軽くて強い部材でできているものなら家も揺れにくく、安全です。

 <家の揺れやすさが分かる?>
 応答加速度増幅率とは、二階床が一階床に比べてどれだけ揺れたかを測った数値です。ある実験では、一般的な木造軸組住宅の場合、2から2.5倍の増幅がありました。この数字が小さいほど、揺れにくく壊れにくい家だといわれています。

○ペットも家族の一員です。ボランティア協力を!
 地震で被害を受けているのは人間だけではありません。ペットもまた、被災者なのです。大地震ではペットまで救う余裕がないかもしれませんし、ペットがいると、避難所生活が難しくなるのも事実です。阪神・淡路大震災では、動物病院の前にペットを安楽死させる人が並んだといいます。また、街にそのまま放してしまう人もいたようです。
 大切な家族の一員をそんな目に遭わせないために、知っておきたいのがペット預かり所。獣医さんやボランティアによって設置されることがあります。
 新潟県では、やむを得ず手放されるペットの里親探しから、予防接種まで幅広い対応が話題になりました。

○使える施設は把握しておく!
 普段から利用しているコンビニは、地震の時も心強い味方です。コンビニ各社は大規模災害を想定してさまざまな対策をとっています。例えば物資の供給。幅広い品揃えと全国にある物流ネットワークを活用して、食料や日用品を被災地に届けてくれます。
 また、自治体と協定しているコンビニでは、トイレの使用や交通情報の提供などを行います。被災地の店舗も営業継続・早期再開を目指した取り組みを行っていますが、まずは安全が最優先。必ず営業しているわけではないので、過剰な期待は禁物。開店していても、商品を買い占めるなどというマナー違反の行動はつつしみましょう。

  <地震でも、役所は使えるの?>
 各市町村の役所は、常日頃から災害対策が行われており、災害時には緊急対策の中心として機能します。しかし、職員や施設そのものが被災していることもあり、十分な対応ができるとは限りません。なるべく役所に頼らずに、できることは各個人で対処するようにしましょう。

○パニックより家族を守る方法!
 地下は生き埋めになるなどのイメージがありますが、地上の繁華街などに比べて安全な場合があります。その理由は、地上よりも揺れにくいこと、耐震構造であること、スプリンクラーや耐火シャッターなど防火システムが整っていること、落下物が少ないこと、停電しても自家発電の誘導灯が灯ることなどが挙げられます。
 注意したいのは、一箇所の出口に人が押し寄せるようなパニックです。地下街では地震よりも、人による被害が大きいことがあります。もし、地下街で地震にあったら、ショーウインドウから離れ、壁や柱に身を寄せて安全を確保。冷静に空いている出口へ避難しましょう。

 <無傷で残った、三宮地下街>
 地下が安全な場合もあることを教えてくれたのが、三宮の地下街です。棚の商品が落下したものの地下街自体の被害はほとんどなかったそうです。
 早朝という時間帯もありますが、被害者もゼロでした。同様に、地下鉄も比較的安全です。地上より揺れにくい分、脱線の可能性も少なく停電してもバッテリーで最寄りの駅まで運行することができます。
 不安だという意見も多いのですが、パニックにならず落ち着いて行動しましょう。

○お風呂の水を抜かない!
 飲料水の確保はできても、必ず不足するのが日常用水。阪神・淡路大震災でも 、 もっとも困ったこととして、「洗面、掃除などの生活用水の確保」を1位にあげ る 人がほとんどでした。
 そこで簡単にできる貯水法が、お風呂の水の保存。入浴後 も そのまま水を貯めておくのです。そうすれば、生活用水をはじめ消火まで幅広く 利用 できます。
 もうひとつ使えるのがトイレの給水タンクです。この水は上水道で、 常 に入れ替わっているので活用できます。ですが、これだけでは安心できません。 必要 なのは、いつどこで水が得られるのかというと、給水拠点の情報を確実に得るこ と なのです。

 <ライフライン復旧までの、入浴>
 水の確保がままならない状態で困難なのは入浴。濡らしたタオルでカラダを 拭くだけでは、十分な満足は得られないもの。それに、長期に渡って入浴できな いストレスは、女性にとっては相当な苦痛です。2004年の新潟県中越地震 では自衛隊が仮設風呂を用意しています。こうしたサービス情報は日頃からマメ にチェックしましょう。

○ブロック塀は、避難の壁。
 ブロック塀や植木鉢など、普段は意識していない意外な物が地震時には思わぬ危険を招きます。屋外の地震対策は家族のためはもちろん、他人を傷つけないためにも必要です。
 一見頑丈に見えるブロック塀やレンガ壁も地震では簡単に崩れることがあります。1978年の宮城県沖地震では、崩れたブロック塀の下敷きになって多くの被害者が出ました。より安全なのは、生け垣です。
 倒壊によるケガの心配が少なく燃えにくい生木は延焼防止にも役立ちます。塀の補強等の屋外対策の際には、植木鉢ガスボンベなどの固定も忘れないで下さいね。

 <屋外の防災度を再チェック>
 忘れがちな屋外の耐震対策。震災時に家族を守り、第三者に被害を広げないためにも定期的に行いましょう。わが家の周りの防災度を一度チェックしましょう。

○ライフラインの復旧まではエネルギー確保!
 避難勧告が解かれると、自宅に戻ることができます。損壊の程度によっては、そのまま住むこともできるかもしれません。しかし自宅に戻っても、これまで通りの日常生活をするには時間が必要。
 ライフラインが途絶えている不便さは避難所も家も同じです。そこで、あると安心なのが太陽光発電システムや小型発電器です。
 電気があれば、冷蔵庫も照明も不自由しません。冷蔵庫も使えます。オール電化であれば、調理もできますし、電気温水器に残っているお湯で入浴も可能かもしれません。ライフライン復旧は長期に渡ります。最新設備が緊急時にも役立つことを覚えておくと便利です。

○携帯電話をフルに使いこなす!
 地震が発生すると振動で受話器が外れて、被災地の電話は一斉に通話状態になります。そこへ安否確認の電話が殺到するため回線に負荷がかかり、当然のごとく電話は不通状態に。
 連絡を待つ親戚には、一刻も早く無事を知らせたいところ。そんなときに役立つのがメールです。携帯電話のパケット通信は通話とは別に管理されるので、メールなら届くのです。
 ただし、多くの人が送信するので、必要事項だけに留めるのがマナー。どうしても電話で伝えたい場合には、優先して通話が確保される公衆電話がよいでしょう。しかも、非常時は無料です。身内の声は勇気をくれます。電話は上手に利用しましょう。

○電車内より、線路がキケン。
 鉄道などでは、火災や横転が起きない限り個人の判断で避難できません。新潟県中越地震で脱線した新幹線にけが人が出なかったように、鉄道の危険性は思うほど高くありません。恐怖のあまり、非常用手動扉開閉器を操作して線路へ出ることの方が危ないのです。
 具体的な対処法は、まず窓から離れて吊革や手すりにつかまります。次に、姿勢を低くして、バックなどで頭や首筋をまもり、網棚からの落下物に備えてください。万が一火災が発生したら、消火器で初期消火にあたりますが、煙が充満するようなら非常用手動扉開閉器を操作して外へ避難を。原則として、駅係員の指示に従って下さい。

 <鉄道の安全を守る、最先端システム「ユレダス」>
 ユレダスというのは新幹線に付けられている装置で、小さな揺れを早期に  感知して電車を停止させるものです。また、東京メトロや上越新幹線などでは、直下型地震に対応したコンパクトユレダスを装備。2003年の宮城県沖地震や2004年の新潟県中越地震では、ユレダスがいち早く警報を発し、最大加速度などの情報を発信しました。

○職場も最低限の備えを!
 地震はいつ、どこで襲ってくるかわからず、家族が自宅で被災するとは限りま せん。外出先や職場で発生した場合、家族がバラバラになったり、家へ戻ることが困難 にな ることもあります。
 家へ帰ることができない帰宅困難者にならないためには、職 場に も自力で帰宅するための準備をしておくことが必要です。
 ロッカーにはスニーカ ーや ラジオなど最小限の防災アイテムを。あとは机にちょっとしたお菓子と飲み物が ある といいでしょう。
 徒歩用の帰宅マップもあれば役立ちます。他県から人が集まる 場所 では、それぞれ状況が異なるために一括した対応が難しく、各個人の備えが求め られ ます。

 <都会では誰もが帰宅困難者になる>
 東京都にマグニチュード7クラスの直下型地震が平日夕方に起きた場合、帰 宅困難者は東京全体で約390万人、首都圏では約650万人にもなると想定 されています。
 ビジネス街が近い東京駅には、200万人が押し寄せると想定。これは、大阪や名古屋など大都市に共通する問題です。職場でも地震対策をお忘 れなく。

○年に一度は家族会議!
 何よりも心配な家族の安否。地震は全員一緒のときに起こるとは限りません。そんな非常時のために、家族の行動をあらかじめ決めておく「防災家族会議」は欠かせないものです。
 外出中の被災や避難中に家族を見失った時には、「連絡方法」や「集合場所」をあらかじめ決めておけば、はぐれる可能性も少なく安否の確認が早くできます。
 この時、近所の避難場所も確認しておけばより安心。ほかにも、消火担当、非常品持ち出し担当など、役割分担を決めておけばスムーズに行動できるでしょう。
 防災会議は実質的な利点もさることながら、意識を高めるためのものでもあります。心構えこそが、一番の防災活動なのです。

 <似ているようで違う、「避難場所」と「避難所」>
 どちらも違いがないように思いますが、「避難場所」は災害で家を失った人が一定期間避難生活を送るための場所。市区町村によって異なりますが、学校や体育館、公民館などが利用されます。
 一方、「避難所」は防災・救護の拠点であり、情報公開、救護、給水、給食などを行います。

○失った財産を取り戻す!
 わが家に戻ってきてまず考えるのが、災害で失った財産。すべてを取り戻すことは難しいかもしれませんが、燃えてしまった現金は表裏がわかる状態であれば、残っている面積によって規定の金額が戻ってきます。
 修理の費用などは、加入している保険や国の支援でカバーすることになるのですが、注意したいのは保険の種類。
 地震の被害を補償してくれるのは地震保険だけです。例えば火事で家が燃えた場合。通常なら火災保険が適用されますが、地震が原因の火災は別なのです。補償はされるのですが、補償額は5%か最高でも300万円しか支払われません。修理、家のローンなどを考えれば地震保険は見逃せません。

  <高まる地震保険の、加入率>
 阪神・淡路大震災時は全国で約7%しかなかった地震保険の加入率も、2005年1月現在では全国で17.2%にまで増加しました。大きな地震被害とともに、加入率も上昇を続けているようです。中でも、東海地震が心配されている愛知県は全国でもトップの加入率のようです。

○クルマが、部屋や、輸送車に!
 もしも、地震で家が倒壊したら車で生活するという選択肢もあります。また、車で外出中に地震に遭遇したため、やむを得ず車中生活を強いられるかもしれません。
 どちらにしても、車は避難所に比べてプライバシーも確保でき、エアコン、カーラジオ、明かり、オーディオがあるなど、多くのメリットがあります。被災後ある程度落ち着いてくると、輸送の足としても使えます。
 しかし、メリットばかりではありません。身体を伸ばして寝ることができないなど、心身に負担がかかりやがて体調を崩す原因にもなります。時々は外に出るなどリフレッシュするようにしましょう。

  <肺 塞 栓 症> 
 通称「エコノミー症候群」。これは血液中でできた血栓が肺に到達し、呼吸困難を発症するもので、ストレスや脱水症状、運動不足が原因です。新潟県中越地震ではこの症状により車中生活者に死者が出ました。ひきこもらないこと、水分を取ること、できる限り身体を動かすことが予防になります。

○ビル内は階段で脱出!
 ビルで被災した時は、カバンなどで頭部を守りながら落下物の少ない壁際を移動します。高層ビルは高い階ほど大きく揺れるため、高層階にいる場合は柱などに身体を打ち付けないよう注意しましょう。
 エレベーターは閉じ込められる恐れがあるため、基本は非常階段から避難するようにします。火災が発生した場合には、歩行の姿勢は低く、ハンカチ等で口と鼻を覆い、できるだけ煙の薄い部分の空気を吸うようにしましょう。
 「黒い煙」には特に注意は必要です。そして急な階段では、子どもやお年寄りは後ろ向きに這うようにして降りるよう誘導すると、安全に素早く避難することができます。

○意外と知らない、キケン地帯!
 街の現状を知ることも、欠かすことのできない防災対策のひとつです。そこで 提案 したいのが「防災ウォーク」。例えば休日などに、家族みんなで近くの避難所や 学校、 近所に住む親戚の家まで歩いて行ってみる。
 そうすると、崩れそうな崖や壁、落 ちそ うな橋など危険な場所を知ることができます。また、途中にある救急病院や銀行 など の施設を覚えておけば、緊急時でなくても役立つはずです。
 災害が発生したとき 、迷 わず安全な避難ルートを選ぶことができれば、それだけで生存率は大幅に上がり ます。
 地図だけで最短距離を調べるのではなく、実際に歩くことが大切なのです。

 <危険予想図 ハザードマップ>
 ハザードマップというのは、災害予想図のことで、自然災害が起こった際に どこでどのような被害が出るか予想しています。地震に特化したハザードマップ はまだ少ないのですが、国だけではなく自治体でもマップづくりが盛んに行わ れているようです。詳細な震度分布を知ることは、避難活動にも役立ちます。

○お隣との付き合いを親密に!
 大きな災害では救急隊も被災地へすぐに向かうことはできません。阪神・淡路大震災では家屋の下敷きになった人は約15万人といわれています。そのうち、自分で脱出できなかった人は約3万5000人。
 その77%にあたる約2万6950人を救出したのは、家族や隣近所の住民でした。防災関係者が救ったのは約6650人しかいなかったのです。
 淡路島のある地域では、隣のお年寄りが寝ている部屋まで知っていたとか。だからこそ素早い救出ができたのでしょう。避難生活を考えても助け合いは大事。
 ライフラインが断たれたとき、頼れるのは心をつなぐハートラインです。

 <近所と親しい人ほど、防災意識が高い>
 阪神・淡路大震災では近所付き合いの大切さが注目されました。都市部に限らず隣人の名前すら知らない人もいるようですが、近所付き合いも防災のひとつのようです。実際、防災対策をしている人ほど、近所付き合いも活発な傾向にあります。

○家屋や生活の修復計画を!
 避難所から戻れば、いよいよ住居の修復。家屋は被害状況によって「全壊」・「半壊」・「一部損壊」の3段階に判定されます。この損害判定は、被災後すべての修復計画に影響しますので、納得できなければ再調査を依頼して下さい。
 また、被害状況はカメラなどで記録しておくと後で役立ちます。フィルム付きカメラでもよいので是非撮影を。最初の仕事はまず、家の今後を決めることでしょう。
 修理して住み続けるのか、建て替えるのか、転居するのかなどです。基本的な方針が固まったら支援の要請手続きや優遇措置を確かめます。応急修理制度や仮設住宅の確保、再建支援などを最大限に利用しましょう。

  <震災 Q&A>
  Q・災害による隣家の損壊で自宅が被害しました。修理の費用は請求できるか?
  A・天災が原因の場合は、隣家の住人も被害を予測することはできません。こうした場合は、被害を受けても損害賠償を請求することはできません。

○家が無事でも、こもらない!
 地震に備えて住まいや地盤の耐震対策を行う理由は、家族の命を守るためだけにとどまりません。被災後でも、家が無事であれば、避難所ではなく一家揃って、わが家で暮らすことができます。
 ところが、家で生活するということは、避難所から離れて孤立することでもあります。ずっと家にいるのではなく、避難所へ足を運ぶようにし、情報を得たり、現場の作業を手伝うなど積極的な行動が大切です。
 また、自宅で暮らしていても、救援物資を受け取ることができます。ライフラインが復旧するまで同じ被災者。交流をもち、助け合って被害を乗り切りましょう。

  <進化する・耐震住宅>
 耐震性能は、技術の開発や過去の被害によって進歩を続けています。1995年12月には阪神・淡路大震災の教訓を生かし、1981年以前の建物に耐震診断を義務化。2000年には、木造住宅に地盤調査などが事実上義務付けられました。基準の改正とともに、住宅の安全も強化されています。

○山間部の土砂災害に注意!
 山間部の地震で警戒したいのが土砂災害。山間部を直撃した新潟県中越地震では、1300箇所を超える地滑りが発生しました。地滑りが起きにくいといわれていた地域でも、雨や台風で地盤がゆるんでいたことが原因で大規模な被害となったのです。
 地震後も崩れなかった場所でも、その後の雨で崩れる恐れがあるので注意が必要です。崖崩れの危険地帯とされるのは、5メートル以上の崖、30度以上の斜面、わき水がある場所などです。
 地滑りの予兆は、地面のヒビ、池や井戸の水が急に減ったり濁ったりしたときなどがあります。山間部では、普段から危険地帯をチェックすることが大切です。

○個人情報カードを、用意する!
 地震の発生時刻や規模によって、家族がはぐれる場合や大きなケガをする可能 性も考えられます。もしかすると、大きな手術や輸血といった医療処置が必要になる かも しれません。
 一刻を争う状況で本人に意識がなければ、身元確認や血液型を調べ るだ けで、貴重な時間を失います。疾病歴やアレルギーがわからなければ命さえも失 うこ とになりかねません。
 そこでぜひ作ってほしいのが、「緊急用個人情報カード」 です。自分だけでなく、家族全員で携帯しておけば心強い味方になってくれます。
 ただ し、 いつも携帯する個人情報ですから、紛失には十分気をつけてください。

○1枚のガラスが凶器に!
 関東大震災の負傷者のほとんどが打撲だったのに比べ、現代の地震ではガラスによるケガが大半を占めます。これは建築物にガラスが多く使われるようになったことと、家庭内にガラス製品が増加したことが原因。
 地震でビルのガラスが割れた場合時速40キロ以上で落下するといわれています。屋外で揺れを感じたら、ガラスを避けることを第一に。そして、家庭のガラス窓には飛散防止フィルムが有効です。
 簡単に使え、手軽に手に入ります。また、割れにくい合わせガラスなどに交換するのもいいでしょう。避難時、散らばったガラスで家族が負傷しないよう対策が必要です。

 <防犯対策が防災対策に>
 ガラスには一般的な板ガラスだけでなく、さまざまな種類があります。板ガラスはごく普通のガラスと同じなので、飛散防止フィルムなどの対策は必須。
 ペアガラスは割れにくいように思われますが、断熱のための二重構造なので、過信は禁物です。その点、防犯合わせペアガラスならバットの衝撃でも簡単には割れないので防犯はもちろん防災にも高い効果があります。

○応急処置は家族を救う。
 災害時に限らず、応急処置ぐらいは普段から身に付けておくと安心感が違います。とりあえず、誰にでもできるのは「止血」。傷口に乾いたハンカチや布を当てて強く押さえる「直接圧迫止血法」は、ハンカチやタオル一枚でできるもっとも基本的な処置。家族が負傷してしまったら、呼吸、脈、出血の有無を確かめます。
 この時、意識がない人や顔や首にケガをしているなら仰向けにせず、横向きにして頭をそらせます。頭部にケガがある人の頭は身体より低くしないよう注意。正しい姿勢で止血し、救助を呼ぶことも立派な応急処置のひとつです。

  <最大の、救命救急効果を目指して「トリアージ」>
 多くの負傷者が発生したとき、病院の混乱を避けるために治療の優先順位を決めることを「トリアージ」といいます。小さな傷はできるだけ、自分で処置するようにしましょう。

○家族全員の絆を大切に!
 地域や人々に莫大な被害を与える大震災。もしかしたら、家や財産、これまでの暮らしが失われるかもしれません。しかし、それらをさしおいても守りたいのが家族です。
 大切な人と一緒に居られる安心感はもちろんですが、家族が協力するからこそ被害や恐怖を乗り越えられるもの。一人ひとりをつなぐ絆が、生活の復旧には不可欠なのです。
 日本は世界有数の地震大国。近い将来、大地震は必ず襲ってくるといっても過言ではありません。そのために、是非日頃の備えと対策を。
 いざというとき大切な家族を守ることができるのは、あなただけなのですから。




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