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★ギャバ

1.ギャバとは
ギャバは脳内にも存在するアミノ酸の一種で正式名称は、ガンマー アミノ酪酸(Gamma Amino Butyic Acid)で、 この頭文字を取ってGABA(ギャバ)といわれています。


2.ギャバとグルタミン酸
 「うま味調味料」の成分として有名なグルタミン酸。人間の脳の中では、ギャバとグルタミン酸は全く逆の働きをします。グルタミン酸 が神経を興奮させる(興奮性作用)一方で、アミノ酸であるギャバが 興奮を押さえ(抑制性作用)、神経を安定させる働きをします。

 人間の健康にとって、この「興奮性」と「抑制性」のバランスがうまく取れているのが望ましい状態ですが、ストレスなどにより、このバランスが崩れると気持ちが不安になったり、イライラしたり、という体調不良を引き起こすことになります。


3.ギャバの作用
 以下のギャバの作用は、その全てが科学的に完全に証明されているということではありませんが、それらの作用に関する論文が発表されているものです。

(1)精神安定作用
 更年期障害・自律神経障害・初老期の不眠症に対してその改善効果がみられ、さらに、その効果は、長期的に持続するということが報告されています。

(2)血圧上昇抑制作用
 臨床試験で、血圧を下げる効果があることが報告されています。

(3)抗がん作用
 大腸ガンの予防に有効であるという報告があります。ただ、この研究は、発芽玄米を用いた実験結果ですので、大腸がん予防効果は、ギャバだけによるものか、発芽玄米に含まれる他の成分(ビタミン・ミネラル・食物繊維など)の作用によるものなのかは、まだはっきりしていません。

(4)肥満防止作用
 脳の食欲中枢を抑制し、空腹感を緩和することで、肥満を防止するものと考えられています。


4.ギャバはどんな食品に含まれているか

(1)ギャバを多く含む食品
 食品では発芽玄米、みそ、しょうゆ、キムチ、たくあん、奈良漬け、茶葉、ワインなどに多く含まれています。また、ギャバに関する研究開発も行われており、独立行政法人農業技術研究機構野菜・茶業試験場では、ギャバを多く含んだ新しい茶(ギャバロン茶)が開発されています。

 日本では昔から穀類は調理前に水につけています。水につけることによって、こ穀類(米、小麦、大麦、ひえ、あわ、きび、大豆など)に含まれているギャバが、増えるという働きもあるようです。また、熱に対しては、普通の煮炊きではギャバの効力は減りませんが、圧力釜など、かなり高熱で処理すると分解されてしまうと考えられています。

(2)ギャバを強化した食品
 通常に含有しているギャバの量以上に沢山のギャバを含む食品が開発されています。そのいくつかをご紹介申し上げます。

◎メンタルバランスチョコレートGABA(江崎グリコ)
 1粒2.5グラムのチョコレートに、約7ミリグラムのギャバを含有ストレスを感じた時に手軽に食べられるということが、この商品の一番のメリットなのかも知れません。ただし、カル子のように食べすぎにはご注意を

◎ワイン「ボン・ブラン GABA 甘口」(メルシャン)
 720ミリリットルのボトル1本に、ライチとぶどう由来のギャバ100ミリグラムを含有する。寝酒にはこれがお勧めかも。

◎発芽玄米味噌『はげみ』(丸山商店
 100g中に約22ミリグラムを含有する。毎日取る味噌汁という食材からギャバを摂取するというのは良い方法かも。

◎発芽玄米(いろんなメーカーから販売されています)
 ギャバの量は、白米は約1ミリグラム、胚芽米で約2.5ミリグラム、玄米でも約3ミリグラム。それに対して、発芽玄米は約10ミリグラム圧倒的に含有量が多い。発芽玄米なら、毎日の食事で意識しなくても摂れるのだから便利かも。


5.ギャバのリラックス効果等の実験

(1)横越英彦教授(静岡県立大学食品栄養科学部)と江崎グリコ株式 会社との共同研究

◎実験の方法
○20〜40代の8人の男性を対象に、・・・・
1.ギャバ70mgを含むチョコレートを摂取する グループと、ギャバの入ってないチョコレート を摂取するグループとに分けて実験(比較試験) をした。

2.ギャバ28mgを含むチョコレートを摂取する グループと、ギャバの入ってないチョコレート を摂取するグループとに分けて実験(比較試験) をした。

○まず、だ液を採取した後で、チョコレートを食べる。

○15分後に15分間の暗算テスト(というストレスを かけること)をしてもらう。

○その後、再びだ液を摂取する(チョコレート摂取から 30分後)。

○同様に、チョコレート摂取から45分から15分間 暗算テストをしてもらい、60分後にも唾液を摂取 する。

◎実験の結果
○ストレスが強いと、だ液中に含まれるクロモグラニンA という名前の成分が量が増える。

○だ液中のクロモグラニンAを調べたら、ギャバを 70mg摂取したグループも、28mg摂取したグル ープも、摂取しなかったグループと比べて、クロモグラ ニンAの量が、有為に減少していた。 つまり、ギャバを、少なくとも28mg以上含むチョコレート を食べれば、30分後からリラックス効果が出てくるといえる。  

(2)横越英彦教授とファーマフーズ研究所との共同研究
◎実験の方法
○21歳から34歳までの健常な男女13人に食後2時間 で、水またはギャバ70mgを含む水を飲んでもらう。

○服用直後と30分後及び60分後に、α波及びβ波を 各5分間測定し、その出現率合計値を求めた。

◎実験の結果
○ギャバ投与により、α波の出現量1.6倍の増加が見られた。水を使用した場合は1.1倍だったので、有為に増加していた。 つまり、心身がリラックスしている時や、何かに集中している 時に現れる脳波であるα波が増加し、イライラしていたり緊張 している時に現れる脳波であるβ波が減少するため、ギャバ の摂取で(α波/β波)の比率が明らかに高くなり、癒し効果が確認できた。

(3)その他の研究 ギャバの精神安定作用に関しては、いくつかの研究結果が報告 されています。
◎精神科・診療内科を受診した患者さんに、ギャバを1日当た り64.2mg、8週間飲んでもらった結果、不眠・睡眠障 害や神経質・易怒性(怒りっぽい)の改善を認めたとの報告 があります。

 ◎うつ病患者や神経障害をもつ患者さんでは、体内のギャバ濃度が低下しているとの報告があります。

 ◎また、化学合成品のギャバは脳血管障害やてんかんなどの治療薬として既に医薬品として用いられています。


6.血液脳関門(のうかんもん)とは(ギャバとの関連で)。
1.血液脳関門(のうかんもん)とは
(1)血液脳関門は、有害物質の侵入を防ぐ「関所」
 改めて言うまでもなく、脳は身体の中で一番大切な臓器 の1つでしょう。ですから外部からの衝撃から脳を守るた め、厚い骨(頭蓋骨)で囲まれて大切に保護されています。 頭蓋骨は、いわば脳を外傷から守るための物です。一方、脳を「内側からの傷害から守る仕組み」があります。それが血液脳関門というものです。血液脳関門は、脳に必要な 物質のみを通し、有害な物質は通さないという、「関所」 のような働きをしています。

(2)「関所破り」をする「悪党」
 しかし、血液脳関門は、すべての有害物質を排除できる わけではありません。アルコールや麻薬など一部の物質は、 「関所」をすり抜けて脳に悪影響を及ぼします。これらの 物質は、脳内に入ると神経細胞の細胞膜を溶かすので、 神経細胞間で行われている情報伝達がうまくいかなくなり、 情報錯乱を引き起こします。お酒を飲んで、血中アルコール 濃度が0.1%くらいになると足元がふらつき出し、0.3%に なるとロレツが回らなくなるのはそのためです。
 さらに怖い ことは、慢性アルコール中毒による痴ほう症です。大量の アルコールを長期間(毎日日本酒を5合以上20年間)飲み 続けると、大脳や小脳が萎縮してしまい、20〜30%の 人がアルコール性痴ほう症になってしまいます。
 また、麻薬は、心身に強い依存性をもたらし、幻覚、妄想、 精神錯乱などを引き起こし、人格を崩壊させます。

2.ギャバと血液脳関門
 食品からギャバを取っても、ギャバは血液脳関門を通過して脳の中 には入っていかないと考えられていました。つまり、食品からギャバ をとっても無意味だと考えられていたのです。
 脳の中にはギャバが存在します。しかし、それは血液脳関門を通過 することの出来るグルタミン酸という名前の物質を脳内で変換してギャバは作られているのだと考えられていました。
 しかし、マウスを使った実験の結果、そうではないことが確かめら れました。マウスにギャバを豊富に含んだ餌を与えると、約一時間後 にはちゃんとマウスの脳にギヤバが入り込むことがわかったのです。

3.ギャバは脳にとって重要な成分
 有害物質の侵入を防ぎ、脳にとって必要な物質しか通さない「関所」である血液脳関門。そこを通過することが出来るギャバ。つまり、 ギャバは脳にとって重要な成分の1つであると言えるのではないで しょうか。





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